「小さな力が何かをして、綻びが出てきたとしても、それくらいで崩れる絆じゃないって証明しなくちゃ。」 「……ありがとう。美樹。」 「いいえ。私としても、杏が元気でいないと調子が狂っちゃうから。」 私たちはそう言って笑った。 私は、それからゆっくりと空を見上げ、コウの笑顔を思い浮かべた。 ……早く帰りたい。コウの待つ場所に。