天使からの選択肢

「お久しぶりです。しっかりと読んでくれたみたいですね!あなたはこの一週間で自分の過去を見つめなおすことが出来たようです。」
初めて天使の顔をしっかりと見た気がする。愛らしい笑顔だ。

「はい。」

俺は素直に答えた。

「では、今のあなたに問います。あなたの願いはなんですか?」

「えっ!?願い!?」

唐突な質問にビックリした。

「そうです。今のあなたの1番の願いを教えてください。」

「……突然だな。そうだな…」

「まずは母親にしっかりと生きてることをわかってもらいたいかな。安心してもらいたい。」

「……少しは成長したみたいですね。」

彼女は微笑んだ。

「では、今日あなたは運命を変える日を迎えることになりました。今日、起こる出来事に対してあなたの決断があなたの願いを叶えるか、否かを決めることになります。今日一日はお母さんのことだけを考えて生活してください。」

「…もし俺の決断が間違った場合はどうなるんですか?」

「二度とお母さんには会えません。それくらいのリスクはあります。」

「……正しい選択をした場合は?」

「あなたの母親にとって最高の幸せが訪れることになるでしょう。」

「…最高の幸せ…。」

「やるかやらないかはあなたの自由です。どうしますか?」

「……やります!」

「そう言うと思いました。」

彼女はフワフワと浮き出した。そして語り始めた。

「あなたは今まで過去の自分に対してずっと否定的でした。あの時こうしていれば…、などと。ただ、今のあなたが存在するのも過去のあなたがいたからなんです。過去を否定することは今まで出会った人、出来事、それら全てを否定することになるんです。マイナスの決断が今のあなたを作ったとしても、それがあなたなのです。まずは自分自身を愛してくださいね。武運を祈ります。」

彼女は消えていった。


これから今までの人生のなかでもっとも長い一日が始まる。