現在昼過ぎ。


………俺、朝からずーっと思ってたんだけど…
山城さんの寝癖…?が、なんかヤバい…。
…もう、昼過ぎてんのに、俺以外誰一人気付かなかったのか…!?
……いや、違うな。
言うに言えなかったんだろ…多分。
山城さんの友達の原田も言わないし…本当に友達なのかよ…!?
……このままだと、さすがに山城さんがかわいそうだし、気づかせた方がいい…。
……でも、すげぇな。
朝から昼過ぎまで、寝癖が直んないのも(笑)
相当ねぞうが悪いらしい…。


そこにいた山城さんに、声をかけた。
違和感がないように。
「ねーねー」
「何!?」
突然声をかけたせいか山城さんはびっくりしたみたいだ。
そして俺は思い切ってさっきのことを………っ…ヤバっ…なんか笑えてきた…。
だって、朝から今この時まで気付かないってどういうこと…(笑)
山城さん、どんだけ天然…?
いや、バカ…?
もう、ダメだ。
笑いこらえられない…
「ここ」
あんまり、ズバッと言わないように、俺はジェスチャーのみで伝えようとした。
「え…何??」

……けど、なかなか通じない。
自分の髪の毛を見ろ!!
そんな思いを込めて、さっきとは違う分かりやすいジェスチャーをしてみる。
やっと、気付いたみたい。
髪の寝癖を見つめ、顔を赤らめていく山城さんが、また、面白い。
あぁ、もう限界。
「…ぷは…っね、寝癖はんぱない…」
俺は吹き出さずにはいられなかった。
これでも、我慢した方。
「そんなに笑わないでよ!!」
や、無理です…こらえられるわけがない…。