「べっ別に嫌いとは言っていないじゃない!」

「でもあたしが他の女の子にべったりくっついていると、すっごくイヤ~そうな顔するじゃん」

「そそそそそっそれはっ…!」

彼女は真っ赤な顔で、あたしの顔を睨んでくる。

「けどこうやって一緒にお昼、食べることもあるよね。ああ、一緒に帰ることも。何でだろうねぇ?」

あたしはニヤッと笑って見せる。

「くっ…! アンタって絶対性格悪いわよ!」

「自覚している」

平然と答えると、彼女は静かに俯き、呟いた。

「…でも、そんなアンタのことが好きなアタシは、趣味が悪いわね」

「…ヒドイ言い方だね。まあ趣味が悪いってことは、賛同するよ」

「あっアンタねぇ!」

再び怒鳴る為にこっちを向いた彼女に、あたしはキスをした。

「…えっ? えええっ!?」

彼女はお弁当を抱え、後退る。

「でもあたしも好きな人の趣味、悪いかも? やきもち焼きのツンデレ女の子が好きだなんて、流行に流されているかもね?」