俺を本気で好きになってよ



わたしは、決まって、蓮の名前を呼ぶ。


すぐに開いた、教室の扉。


「今、授業中なんだけど。なんか用?」


用って、見たらわかるじゃん。


助けてよっ。


そう瞳で訴えると、呆れたように蓮が近づいてくる。


「悪いな。あいにく、コイツ嫌がってるから」


蓮がわたしから、大和を引き剥がしてくれる。


「なんだよ、お前…」


大和は、蓮を見た瞬間固まった。


「水瀬 蓮?」


口をパクパクさせながら、大和が言った。


「そ。ってか、俺の女に手出さないでくれる?面倒なんだよね」


「あ、いや。その…悪かった!」


それだけ言うと、大和は、教室を出ていった。