「あの女って……和香ちゃんのことだよね」


「そー。朝から昼から放課後から、ベタベタ九条に張り付きやがって。

おかげで最近九条と話せてないっつーの!」


「……え、実はその為にあたしを応援してる?」


「まさか」


「だよね。あたし……ちょっと頑張ってみる」


「おう、その意気だ。頑張れ!九条は待ってても、永遠にやって来ないからな~。ガンガン行け!!」


九条くんの友達から、ちょっとおかしなエールを送られながら、あたしは、校舎裏をあとにした。