「だけど、途中までなら一緒に帰れるよね。ねっ」


そう言うと、和香ちゃんはガタッと椅子から立ち上がる。


「急ぐから、帰るね」


「待って!?和香ちゃん、どうして怒ってるの?」


「怒ってなんかないけど?」


「だったらどうしてちゃんと話そうとしてくれないの?

あたしが九条くんのこと黙ってたから?それともあたしの言い方が気に食わないの?」


あたしがまくし立てて聞いたもんだから、クラスの女子の数人が、こっちに耳を傾けてる。