しまった!あたし……。


九条くんは、驚くというか、何ともいえない表情をしていて、じっとあたしを見つめている。


これじゃ、中学のときと同じだ。


あたし、恥ずかしいからって、また九条くんにこんな言い方して。


早く、謝らないと……。


「九条くん、ごめ……」


「いや、悪いの俺だし。……じゃ、しんどくなったらすぐ保健室行くこと。約束な?」


九条くんはあたしの頭を軽くなでると、微かに笑って先に歩き出した。


「九条くん!」


「……俺の心配してる場合じゃないだろ。大丈夫、怒ったりしてないから」