「亜美ちゃん、おはよー」


ビク!


教室に入ろうとしてたら、うしろから和香ちゃんに思いっきり背中を叩かれた。


「和香ちゃん、おはよ。びっくりするってば……」


「あは、ごめ~ん。ねぇ、亜美ちゃん。昨日友達に聞いたんだけど……」


そうだ!


あたし、和香ちゃんに言わなくちゃいけなかった。


昨日はタイミングが掴めなくて言えなかったから……。


「あっ、九条くんのことだよね!?」


あたしは和香ちゃんが言い出す前に、思いきって九条くんの名前を出してみた。