高校一年の春
ふたりで一緒に
初めて訪れた
この公園で

あたし達は
カレとの再会を
果たした

それから
『毎年桜の咲く季節に
この場所を訪れようね』

二人で交わした
約束した場所

カレの桜は
今年も見事な
花を咲かせていた

「キレイ…」

思わずつぶやく
あたしを横目に
隣の隆は笑ってる

「変わらないな…」

毎年毎年
桜の木を見上げる度に
繰り返される言葉

「ごめんね
進歩なくて」

プイっと拗ねて
横を向いてしまうのも
いつものこと

だから隆は
余計に笑う

クククっと
声を押し殺して