隆は言う

「来年
この桜が咲いたら
一緒になろうか?」

あたしは答える

「そうだね
夫婦(めおと)に
なろうか…」


あの日
桜の木の下で
ふたりで誓った
永遠の
約束のように…

奪われた命と共に
途切れた約束

果たされる
ことのないままに
過ぎ去った
幾つもの時代

繰り返された
出逢いの中で

ようやく
ここに
たどり着いた