そして今日
彼らに出会った

ふたりに
出会うことは
『必然』
であった

春が来る度に
山々を
必死で探した
『千の桜』

「こんなに
近くにいた
なんて…」

思いもしなかった

「ここから見える
城の桜を…
どうして
思い出せなかった
んだろう?」

『千の桜』は
腕を伸ばして
その存在を
アピールしていた
というのに…

「自分を
責めないで。
莉奈」

背後から
隆が
そう声をかける

大きな手が
あたしの頭を撫でた