「さっきはごめんね、驚かせて」


仮面から覗く眼差しと同じく優しい口調。


少し安心したものの、私はこの唇とキスをしたんだと思うとまた急激に恥ずかしくなってきた。



「お…驚いたなんてもんじゃないわよ…!」



少し怒ったような口調になってしまい、私はそっぽを向いた。



「お詫びにいいものが見える場所に連れてってあげるよ」


「いいもの…?」



『と言ってもすぐそこなんだけどね』と言うと、玲は私に左手を差し出す。

少し戸惑いつつもそこへ右手を乗せると、ふっと微笑んでゆっくり歩き始めた。


まるで、今度は私が王子様にエスコートされるお姫様になったみたい。