でも、どうして玲は私の考えていることがこんなに分かるんだろう。


キスも……


『僕が君を満たしてあげるよ』


あの言葉だって──


今日初めて逢ったばかりなのに、どうして?



私には玲の考えていることがよく分からなくて少し怖い。



「これからどうしよう……」


そう呟いて、またため息を一つ。


でもあの部屋にはまだミーナ達もいるし、戻らないわけにいかない。



「とりあえず何事もなかったかのように振る舞うか…」



私は無難な選択をすることにした。


もうその後はどうにでもなれ!


鏡を見てもう一度仮面を付けると、軽く深呼吸してから『よしっ』と気合いを入れた。