羞恥心とか

背徳感とか

困惑とか


そのどれでもないような、その全部のような、よく分からない感情が全身を駆け巡る。


私は玲が何か言葉を発しようとする前に、無意識にソファーから勢い良く立ち上がった。



「す…す…すみません!」



壊れたレコードのように意味もなく謝って玲の手からサッと仮面を取ると、ふらつきながらも足早に部屋の出入口に向かう。



一瞬だけ垣間見えた玲の顔は、妖しげに微笑んでいるような気がした。



ガラガラと

小気味よく崩れる音がする。


私の、心の積み木が──…