危険な夜へご招待【仮面de企画】

「宮下先輩って姉さん女房ってカンジですよねぇ〜♪」



ある日のお昼休み。

トイレで化粧を直していると、仲良しの後輩・ヤコちゃんが手を洗いながら突然そんなことを言ってきた。


リップを塗る手を止めて、鏡越しに彼女を見る。



「…やっぱりそう見える?」


「見えますよ〜!
だってさっきも笠原さんが『コーヒー入れてくれる?』って言ったら『自分のことは自分でやってください』って一喝してたじゃないですかぁ!」



『笠原さん超カワイソウ〜』と言いながら、彼女は大きな目を三日月のように細めて無邪気に笑う。



「あぁ、アレは忙しかったからつい…」


私は苦笑いして歪んだ唇に再びリップを塗った。