理性が吹っ飛びそうになった瞬間、うっすら明かりが灯り始めた。



『これよりダンスタイムとなりまーす!これぞ仮面舞踏会!
皆様ご自由に踊って楽しんでくださいね〜』



緩やかな音楽が流れ始めて、誰かのテンションの高い声がスピーカーから聞こえてきた。


その声に、一気に現実に引き戻される。



ゆっくり離される唇からは熱が冷えていくのに

私の身体は内側からじわじわと熱を帯びていく。



ど……どうしよう!!??


放心状態の身体とは裏腹に、バクバクと激しく打つ鼓動。


暗くてお互いの顔がよく見えないことだけが、唯一の救いだった。