危険な夜へご招待【仮面de企画】

「私が求めてるものは、彼とじゃ手に入らないんだわ…きっと…」



私は今、心の積み木に軽く指を触れた。



「そっか……」


玲は小さく呟くと、紅い液体をすっと喉に流して静かにグラスを置いた。



「杏樹の求めてる“足りない何か”ってやつの正体が分かったよ」


「正体……?」



鋭い眼差しが、私をしっかりと捕らえる。



「それは……“刺激”」


「──!!」



私は玲を見たまま固まっていた。


……どうして?


何で玲は私が考えていることが全て分かるの?