危険な夜へご招待【仮面de企画】

これじゃただ愚痴ってるだけだ……醜いなぁ、私。


これを言うべき相手は玲じゃない。


そう分かってるのに…
止められないのは何故?



「彼に望むことが多過ぎて、このまま一緒にいても満たされない気がする。
彼といると幸せだけど…何か肝心なものが足りないの。

幸せなのに満たされない…って、勝手で贅沢な不満よね」



私は自分で自分を嘲笑った。

こんな話を聞かされたら、玲だって困っちゃうよね。



「…ごめんなさい、逢ったばっかりでこんな話して…」


「いや…僕こそ無神経なこと言って悪かったね」



自分の膝に視線を落としていると、隣からコンッとグラスを置く軽い音が聞こえた。