危険な夜へご招待【仮面de企画】

「どうして……?」


「杏樹の様子を見てればすぐに分かるよ。何か問題があるんじゃないかってね」



黒髪をさらりと揺らして、ワイングラスに口を付ける玲。


私ってそんなに分かりやすい?

それとも、玲が鋭いのか……


いずれにせよ、バレてしまったものは仕方ない。



「…うまくいってるの、表面上は。ただ……私が高望みしてるだけ」


盛り上がる人達をぼんやり眺めながら、小さくため息をつく。



「彼はすごく優しくて…それは嬉しいんだけど、その優しさに甘えたくない自分がいるの。

“もっとこうして欲しい”って想いばっかり強くなって、欲が増えて、どんどんワガママになってく……」