危険な夜へご招待【仮面de企画】

ここで私が“いない”と言ったら──?


私と玲の間に、何かが生まれるのだろうか…?



そんな奸(よこしま)な考えが一瞬思い浮かんだけれど、そんなことをしても大輔への罪悪感は強くなる一方だ。



「……うん。います」



俯きがちに、でも正直に答えた。



すると玲は、紅いワインが手に持つグラスの中で揺れるのを見つめながら



「うまくいってない彼氏が?」


と言った。



「──え…?」



驚いて顔を上げると、玲はワインから視線を外して私を真っすぐ見据えていた。