…絶対そう言うと思った。


アナタが私のためなら何でもするってこと、もう分かり切っちゃってるのよ。



「……嘘よ、嘘!」


「えっ?」



髪を撫でる動きを止めて目をぱちくりさせている彼に、私は背を向けた。



「嘘って…じゃあ他に何かあるのか?」


「……考えとく」



そう言うと、私は瞳を閉じた。



アナタの気持ちは嬉しいけど

これ以上私を甘やかさないで──



アナタといると、どうしてもその温もりに浸っていたくなってしまう。


そして、いつかきっと抜け出せなくなる。

それが最近怖いんだよ…



このままじゃ、自分がダメになってしまいそうな気がする。