「もうすぐクリスマスだな。何が欲しい?」


腕枕をされながら微睡(まどろ)んでいると、彼が私の頭をそっと撫でながら尋ねてきた。



「そーねぇ……」



肌と肌が触れ合う温もりが心地よくて、すぐに睡魔が襲ってくる。

それに耐えるように眠い目を擦りながら、私は言葉を探す。



「じゃあ…プラダのバッグ…」



本当はそんな高価な物が欲しいワケじゃない。

ただ試したかったのよ、アナタの反応を。



「わかった。楽しみにしてて」



彼は何の躊躇いもなく私の望みに応えて、子犬のような無邪気な笑顔を向けた。