危険な夜へご招待【仮面de企画】

「だけど僕はずっと忘れられなかった。
あの時、杏樹の肩を抱きながらすれ違いざまに僕に向けた、あいつの勝ち誇ったような顔が……」



玲の顔が、ほんの少し悔しそうに歪んだ。


でもそれは一瞬で、次に窓から私に視線を移した時には口角だけを上げた冷たい笑みを浮かべていた。



「その時から僕は待っていたんだよ。あいつに復讐する、今日という日を…ね」



復讐って……


私を大輔から奪うこと?


大輔の欲望のために利用されて屈辱を味わったから?



そして私も──


大輔に騙されていた?



「…信じられないよ…そんなの……」