死への救急搬送


私は毎日リハビリを左肩から始め左ひじ、左指と手首、右肩、右ひじ、右指と手首、左股関節、左ひざ、左足首、右股関節、右ひざ、右足首の順で行っていました。

それが終わるとベッドの上体側を立てらせて座らせます。

しかし左首に力が入らないのでしょう。

いつも頭全体が左へ傾いてしまいます。

タオルをベッドと左側頭部の間に挟み込み矯正しますが、徐々に左へ左へと傾いていきます。

リハビリの先生も左半身不随で左へ傾いてしまうのでしょうが、これでは首が座らず車いすのトレーニングが不可能だと話していました。

家内の声が出なくなり意識状態も悪くなってきてからは継母は病室へ来ますが義父は家内と会っても反応がないからとほとんど来なくなりました。





「クロもミルもマシュもみんな元気やで」

「はよ帰って来るんを待ってるで」

(クロとミルは昔から居る猫ちゃんですが、マシュは故マシュが亡くなった後に私が落ち込んでいるのを見かねた家内がペットショップで偶然に故マシュに似た猫を見つけて買ってくれたのです。そのマシュを家内も可愛がりいつも写真を枕元に置いていました)

家内に話しかけながらリハビリをしていると右股関節から右ひざにかけて動かすときに、時々力を入れリズムをとり反発します。

私には何かを語りかけているのがわかります。

足首を動かすと足の指を5回曲げたり、6回曲げたりして何かを伝えようとします。

何かがわからずにもどかしいのですが、返事をしてくれているのがわかり嬉しかったのです。




私の話を聞き家内が右足で返事をします。

内容はわからなくても意識はあった。

それだけでも十分嬉しかったのです。