死への救急搬送


「生前は家内がお世話になりました」

私は椅子に座り先生に礼を言いました。


「残念でしたね。亡くなるとは思いもしませんでした」

「57歳やったんかなぁ・・・」

「まだまだ大丈夫だと思ってたんだけどなぁ」



「はい。以前お話しした時に伝えたように搬送にも問題があって手術がかなり遅れてしまいましたし透析をしていたからやはり脳の腫れがなかなか引きませんでした」

「脳のシャント手術をして頭蓋骨も再装着したのですが6月末に再出血を起こし回復不能になりました」

「せっかく血液透析用のシャント手術が成功して、これから腹膜透析と併用しながらまだまだ元気で生きられるし遊べるのはこれからだと思っていたのですが」

「まったく死ぬとは思いもしませんでしたし生きるつもりで努力もしていました」



先生も頷きながら

「僕もまったく考えなかったわ」

「こっちへ転送されてくるとばかり思っていましたよ」