死への救急搬送


私は担当長を見つけエレベーターの前で声をかけました。

おそらく突然に来てもだめだと断るであろうと想像はしていました。


「おはようございます」

「先日の話し合いで家内を搬送した隊員と話をさせてくださるとのことでしたのでまいりました」



突然に私が訪れて心構えのなかった担当長は面喰った様子です。

「隊員にはまだ話もしていません」

「だから無理です」



「でも話し合いはさせてくださると消防長が言われましたよね」

「当然勤務時間中に話し合うのは迷惑をかけるといけないので隊員の泊まり明けの朝、数十分でかまいませんのでお願いします」


担当長はしかたがなく手帳を取り出してスケジュールを見ます。

「そしたら23日にしてください」



「わかりました。では23日の8時半に来ますが、それでよろしいでしょうか」



「はい」



私は担当長から了解をとると帰宅しました。

電撃的に訪問して相手のすきを突く作戦は成功し、わりと早く隊員から直接話を聞けることができるようになったのは収穫がありました。

その時はそう思っていたのです。

しかし・・・