死への救急搬送


担当長は

「いや、ある程度は回答を書いているんですが、まだ完成していないだけです」


「そんなに時間が必要なんですか」

「あなた方救急隊の搬送ミスなので、なかなか書けないのじゃないですか」


「そんなことありません」

「奥さんは脳外科へ運びそこで手術をしてから透析のできる病院へ転送し治療できたのじゃないですか」

「だから隊員がN脳外科へ搬送したのです」


「あなた方はプロなのでしょう」

「ほんとうにそんなことが可能だと考えているのですか」



担当長は自信ありげに笑みを浮かべて

「可能でしょ」




私は救急隊の管理職がこの程度の知識レベルしかないのかと思い呆気に取られれました。



「私の今までの経験では家内が他の疾患を患った時には疾患の治療と同時に透析と輸血が必要でした」

「だから透析患者はそういう設備のある病院でないと治療不可能なのです」

「知らないのですか」

「真剣に脳外科で手術してから透析病院へ転送して治療できると考えているのですか」

「透析病院へ転送後の脳手術直後の治療はどうするのですか」

「救急隊員なら常識で知っていると思いましたが信じられないですな」





担当長は私を見下すように

「可能です」




私はあきれました。