死への救急搬送


7月21日

午前9時前

M市救急本部の救急隊受付カウンター前


「おはようございます」


担当長がこちらを見てカウンターへ来て

「いや~、台風が来て島の見回りに行ってましたから、まだ回答ができていないのですよ」



私は心の中で「やっぱり思った通りだな」とつぶやき、黙って持っていたカバンをカウンターの上に置くと座りました。

担当長も対面に座ります。



「そう言うだろうと思ってきたのです」

「台風を理由にするだろうと思っていました」

「台風は19日に来て去りました」

「私が質問に訪れて10日間が経ちます。十分に調査する時間があった筈です」

「何故救急隊員は私の話を聞かずに搬送したのか。何故勝手に電話を切り搬送し、すぐにリダイヤルしたのに無視したのか。何故透析患者の治療ができない病院へ搬送したのか」

「その程度のことを調べる時間は充分にあったでしょう」



私は多少語気を強めて言いました。