ストリング ~スマイル500円

お腹がいっぱいになり、しばらく動けそうに無い。

「女の子達は2年目だろ?仕事どう?そろそろ、辞めたいとか、転職とか考える頃じゃない?」

柴田さんはグチを聞いてくれるつもりらしい。

「柴田さんはどうでした?2年目の頃」

彩が聞き返した。

「俺?俺は・・・、焦ってたな。失敗ばっかりしてたし、周りは仕事の出来る先輩が沢山いるし、同期にも出来るやつはいたし・・・」

「ああ、橋本とかな」

田中さんが同意した。

橋本さんの名前を聞いてももう何とも無い。

「まあな。今でも焦る事もあるよ。俺、まだまだだから」

しんみりした空気に気づいて、

「あっ、何か弱気な事言っちゃったな。ここの自然の空気にやられちゃったか?」

いつもの元気な声で笑った。