ストリング ~スマイル500円

「さあ、お昼にしますか」

田中さんは、いつの間にか大きな毛布の包みを持っていた。

何重にも包まれたその包みをはがしていくと、シルバーの寸胴なべが現れた。

「じゃーん。田中特製タンシチューでーす」

「田中っ、やるじゃん」

「おう。2日前から煮込んどいた。まだ温かいぞ」

手馴れた感じでよそい、フランスパンを添えてみんなに渡した。

「では、いただきまーーす」

本格的なタンシチュー。

手の込んだ料理久しぶりだ。

「おいしい」

口々に言いあっという間に鍋は空になった。

「ごちそうさまでした」