「明日飲み会あるよー。開発部と」

彩の声にリボンを結ぶ手が一瞬止まる。

それに気づいているのかいないのか、彩は続けた。

「橋本さんはこないよ」

「いくよ。美樹もいくよね」

フォローするように沙織がかぶせ気味に言った。

「うん」

勢いに乗せられて返事をした。

「じゃあ、明日は定時で終わってね」

彩は急いで言うと、時計を見ながらばたばたと走って行った。

「彩はいつも忙しそうだよねー」

沙織が独り言のように言った。