ストリング ～スマイル５００円

「あの人には気をつけた方がいいわよ。毎年の事なの。新入社員キラーなの。とにかく若い子が好きなんだから、来年新しい子が入ってきたらあなたも捨てられるわ」

「あなたの為に言ってるのよ」

後ろの一人が付け加えた。

「じゃあ、私が言ったって言わないでね」

そう口止めをして去っていった。

橋本さんとの事は言ってなかったが、彩も沙織もさっしていた。

「気にしない方が良いよ。ただの嫉妬でしょ」

「そうよ、モテない女のヒガミじゃん。大体あんた誰よ？」

なぐさめてくれたが、私の中ではもやもやとしていた事がはっきりとした形になっていた。

間違いであって欲しい事が間違いでは無かった。


橋本さんはただの、ギャル好きな男。


毎年ギャルを求めているのだ。

あの人もギャル好きまでは知らないのだろう。

だからあんなことをわざわざ言いに来るんだ。