ストリング ~スマイル500円

「はい、ありがとう」

うつむいた私の顔の前に赤い手帳が差し出された。

恐る恐る顔を上げるとそこにはいつもの笑顔が、白い歯の輝く完璧な笑顔があった。

さっきのは何だったの?

見間違い・・・?

混乱した。

さっきまでの甘いドキドキとは違う、得体の知れないドキドキが襲ってくる。

その後も色々と話をしたがあんまりよく覚えていない。

一瞬だったがあの顔が頭から離れない。