「ここだよ」
指で指されないと分からないくらい目立たない木製のドア。
看板も無い。
重いドアを開くとほんのり甘い香りがただよってきた。
薄暗い店内に、落着いた音楽。
スーツ姿のカップルがほとんどだ。
明らかに私だけ浮いている。
下を向いたまま彼の後におずおずとついて行った。
入り口は狭いが奥に広く、ずいぶん歩いたような気がする。
「どうぞ」
案内された先は個室になっていて、和室だった。
旅館の部屋を小さくしたような感じ。
テーブルに座椅子、障子、花瓶に生けられた真っ赤な一輪の花。
和室には違いないけれど、おばあちゃんの家とは違う。
外国人が作った「和」のような新しい感じ。
指で指されないと分からないくらい目立たない木製のドア。
看板も無い。
重いドアを開くとほんのり甘い香りがただよってきた。
薄暗い店内に、落着いた音楽。
スーツ姿のカップルがほとんどだ。
明らかに私だけ浮いている。
下を向いたまま彼の後におずおずとついて行った。
入り口は狭いが奥に広く、ずいぶん歩いたような気がする。
「どうぞ」
案内された先は個室になっていて、和室だった。
旅館の部屋を小さくしたような感じ。
テーブルに座椅子、障子、花瓶に生けられた真っ赤な一輪の花。
和室には違いないけれど、おばあちゃんの家とは違う。
外国人が作った「和」のような新しい感じ。


