え?と顔を上げると、佳歩ちゃん笑ってる。


「あたし安心したわ、あんたがヤキモチ妬いて」


「…どうして?」


「あんたは昔から良い子やった。ちょっと抜けてるとこあるけど、家事に仕事に、あんたがれいちゃん育てたようなもんやん。あたしらが遊んでても、迎えに行ったり面倒見てた」


「だってそれはほら、私しか居ないし」


「そうやって抱えてやってきたやん。真面目なんよ。やから相談持ち掛けられた時、あー、あんたもヤキモチとか焼くんやって」


「面白がってない?こっちは真剣なのに」


「ごめんごめん。せやけど、当たり前のことやん。年の離れた妹が先に結婚して、真から祝福するような女、あたし友達になれへんわ」


「でも、ひどい姉でしょ?」


「じゃあんた聞くけど、れいちゃんの結婚、破談したらええ思ってんの?」


「そんなこと思ってない。ただ、うまくいくか心配なだけ」


「ほらな。結局、あんたはお姉ちゃんいうことなんよ」


「だって結婚してダメだったら可哀想じゃない」


「それがひかりよ」


「でもどうしたらいい?」


「仲直りってこと?」


「そう。きっかけがなかなか見つからなくて…」


私が考え込むと、佳歩ちゃんは笑いながら、


「そんなもん簡単やないの」