「でも…」
渋る少年だが、
「三人で食べな。撫でてくれたお礼」
「じゃ、頂きます。お前たちもちゃんとありがとうって」
兄に促され、
「ありがとう‼」
「ありがとう‼」
可愛らしい笑顔にニンマリしたが、
「おじさん、ありがとう‼」
「お、おじさん⁉」
クラクラと眩暈がする。
芋を取り返そうとしたが、
三人は手を繋いで走っていった。
「ワン‼」
マサが足元でまとわりつく。
「芋が欲しいのか?」
「ワン‼」
「俺はお兄さんだろ?」
「ワン‼」
「おじさんではなく、お兄さんだろ?」
「ワンワン‼」
ったく、メンドくせーなー‼



