「あの、すみません」


幼い兄はハキハキとした声で、


「その犬は噛みませんか?」


「大丈夫。噛まないから撫でてやって」


そう言うと、


小さな二人はパッと顔を輝かせ、


マサに手を伸ばす。


その手をペロッとするマサ。


「お兄ちゃん‼可愛いよー‼」


「お兄ちゃん‼私も欲しいなー‼」


二人の妹はきっと、


お兄ちゃんが大好きなんだろう。


そんな二人を見守る小さな兄も、


妹たちが好きなはず。


「ちょっとコレ持ってて」


リードを少年に手渡し、


ほっくほくの石焼き芋を買うと、


「はい」


リードと交換した。