「マサ‼そんなに引っ張るなよ」
まさは後ろを振り返った。
妹たちが小さく見える。
かすかに笑い声が聞こえた。
どうせ俺の悪口を言ってるんだろう。
ま、それで二人が盛り上がるなら、
俺は本望だが。
自然と笑顔が浮かんできた、
その時。
「わぁ‼可愛い‼」
小さな女の子が二人、
マサに近寄ってきた。
まだ小学生になったばかりだろうか。
目をキラキラさせて、
マサに手を伸ばす。
が、
「お前ら‼やめろ‼」
そんな声に、
ビクッと体を震わせて手を引っ込める二人。
「お兄ちゃん…」
と、幼い二人が振り返った先には、
二人の兄だろう。



