小太りの門番は

ひどく怯えた様子で

こう答える。

『い……いえ……

ここで働きたいと申す、

若者でございます……

男でございます……』



すると扉の向こうから


『ほぉ……ワシの元で

働きたいと申すか……

よし……通すがよい』



『は、はい!』


小太りの門番は

そう返事をし、

扉を開けるときに

小声でこう言った。

『……何を見ても

驚かれるな』と。