まさか……

そんなことが……




僕は急に怖くなった。

だってあと数ヶ月もたてば

妹も働きに行くのに……。



噂が本当なら

そんなこと絶対に

させやしない。

大切な妹だ。

絶対に守ってやる。





僕は噂を確かめる為に、

村長の住む屋敷へ

向かった。




大きな門の前に

門番が2人いた。


1人は痩せていて

棒のような体だ。

もう1人は小太りで、

背も小さい。




すると痩せている方が

話しかけてきた。

『何用じゃ?』



僕は、

『ここで働きたいんだが』

と答えた。




すると、

小太りの門番が

話し出した。



『親方さまは

男は好かん。

中に入れるのは

若いおなごだけじゃ。

お前は男であろう。

早々に帰られよ。』 と。