時はまもなく
陽が落ちようとしていた
俺の家の前では
いつものように
妹が歌いながら遊んでいた
俺は屋敷から飛び出した後
真っ先に家に向かったのだ。
妹の姿を見つけた俺は
足を止め
『良かった…無事だったのか』
と呟いた。
そしてゆっくり
妹の元へ歩き出した。
妹が俺に気付き
小走りで俺の方へ向かってきた
『お兄ちゃ〜ん!』
勢い余って俺の体にぶつかる妹。
『おい、大丈夫か?』
俺は妹の頭を撫でながら話しかけた。
妹は顔を上げ言った。
『うん、大丈夫!お兄ちゃん、どこに行ってたの?』
俺は辺りを見渡し、
妹を家に連れて入った。
そして妹に話した。
『いいか、今から兄ちゃんは村の人たちに話さなければいけないことがある。だからお前は兄ちゃんが帰るまで、家の外じゃなく、中に…この床下の穴に隠れていてくれ。。』
妹は不思議そうな顔をして
『どうして?』
そう言ってきたが、俺は
『とにかく、兄ちゃんが戻るまでは絶対に誰が来ても話すな、出るな、わかったか。お前を失いたくない』
そう言い聞かした。
妹は俺の真剣な目を見て
何かを悟ったのか
大人しく穴に入り込んだ。