痩せた門番が

『おい、早くかえ……!』

ドスッ……!

『ぐっ……き……貴様…!

な……ぜ……』

そう言って門番は倒れた。



……ちょっと気絶させただけだ


死んではいない……




僕はまず

門番と服を取り替えた






そして僕の服を着た

門番を外の壁へ

座ったようにたてかけた。

まわりから見れば

眠ったように見える


それに今は

この屋敷に近づく者も

いない……



そっと門を閉め

鍵をかけた後

さっきの村長がいた

部屋に向かった…






向かう途中

女どころか、誰1人と

すれ違わない


僕は胸騒ぎがしていた。







どうして……

いないんだ……?




村長の部屋は

扉が開いており

中には村長どころか

門番さえもいなかった……






あんなにでかい

化け物のような村長……

そんなに時間も

たってはいないし

そう遠くに行けるはずは


なさそうなんだが……



幸い誰も

いないので

僕は廊下に座り

しばらく考えることにした。