「ここは、どこ…?」




私の視界に映るのは、

風に、ゆらゆらと揺れる桜の花びら。

たくさんの桜の木。

目の前には、キラキラと輝く少年が2人いた。


あの2人の少年は一体誰なのだろうか。

まったく分からない。

ただ、私は2人の少年について行ってた。

…と、いうよりも勝手に足が動いていく。

ああ、私は誰かの中にいるのだろうか。

だとしたら、私は誰?

私は、何…?



「おい、希衣。」


1人のキラキラと輝く少年が、

私に声をかけた。

“キイ”…?

“キイ”って誰…?

誰かの名前なのだろうか。

それとも、私の名だろうか。





「あ、お兄ちゃん、邪魔しないでよ!」

「お前が邪魔してるんだろ?」

「むぅ…」





自然と、口が動く。

私は“キイ”と言う人物の中にいるらしい。

今、私に向かって話した少年は、

どうやら“キイ”の兄らしい。


“キイ”と“キイ”の兄の喧嘩がとまらない。

ああ、どうしたら言いのだろうか。

私は、何をしたらいいのだろうか…。