「え…?」

いま、なんて?


「伊藤さんが好きだよ。」


うそ。ほんとうに?


「ほんと…?」


「本当に好き。」


私は嬉しさと驚きを言葉にできなくて。


何て言ったらいいんだろう。


あ、でも昨日…


「栗原くんて彼女いるんじゃないの?」


隆司はびっくりしてて。


「昨日、私みちゃったんだ。栗原くんが女の人といるの。」


「昨日…あ。」


隆司は思い出したように私をみて笑った。


「昨日一緒にいたのは姉貴。」


「えっ!?お姉さん!?」


隆司にお姉さんがいるってことは知ってたけど全然似てなかったからわからなかった。


「姉貴にいろいろアドバイスしてもらったんだ。これ、伊藤さんに…」


隆司は私に小さな紙袋を渡した。


「外国ではバレンタイン、男から女の人にプレゼントしたりするんだって。…ここ日本だけど…(笑)」


隆司…どうしよう。
凄く嬉しい。


「ありがとう。私も、栗原くんが好き!大好き!」


「ほんとに!?やばい…。 こんなに嬉しいこと初めてかも。」


隆司が可愛く見える。


「私も嬉しい。すっごく。」

私は後ろに隠していたチョコを震える手で隆司に渡した。



隆司は優しく私の手を握ってくれた。



隆司…。
今でも新鮮に覚えてるよ。