数日後。

矢島先生と話すらしい。



「何でここなの?」


「外でもよかったんだけど、内容が内容だからここの方がいいかなって。」


「だとしても…。別に社長室じゃなくてもさぁ…。」



祐チャンに連れてかれるまま来たから、まさか美咲サンの会社だとは思っても居なかった。



「私たちはたぶん口出ししないと思うから、安心して。」


「うん…。」



…トントン。


「…失礼します。」


雅也サンに連れられて、矢島先生がやって来た。




「今日はお呼び立てして申し訳ありませんでした。早速ですが、呼ばれた理由はご存知ですよね?」


「えぇ、まぁ…。でも、改まって何を話すんですか?」



矢島先生は祐チャンの前の椅子に、足を組んで座った。


この態度、自分が今どういう立場にあるのかまだ理解してないんだ…。



「千華に何か言いましたよね?」


「言いましたけど、それが何か?」


「それが何かって…。千華に、言うことないですか?」


「チッ。…ごめんなさい。」


そんな嫌々言われても…。
私がどれだけ傷ついてたのかも知らないのか…。



「でも待って。確か彼女って高野サンじゃなくて、そっちの人じゃあ…。」


そう言って、矢島先生は美咲サンの事を指差していた。



「アハハ。本気にしてるし(笑) 私は祐輔の彼女なんかじゃないし。あの時はそうでも言わないと、アンタ帰らなかったでしょ。」


美咲サンは、爆笑してる。



「何よそれ。私を騙してたってこと!?あり得ないんだけど!!」



バンッ


「あり得ねぇのは、アンタのやってる事だよ!!千華がどれだけ傷ついたのか、少しでも考えた時あんのか?あるわけないよな。だから、俺に付きまとったり、家まで来たりできたんだよな!」


ついに、祐チャンの堪忍袋の緒が切れた。



「何で私が、この子の事考えないといけないのよ!!」


「そーいう所が俺は嫌いなんだよ。自己中で、他人の気持ちなんて微塵も考えねぇとか。だからといって、直したんで付き合ってください。はないからな。」



「っ。…いいわ。その代わり、身の回りには気を付けなさい。それじゃ。」