「と。今日どうする?」



明日から学校が始まる。
けど…。



「朝早く帰るから、泊まっていい?」


「あぁ。」





お風呂が沸く間に、片付けをして、お母さんにメールした。



ーー今日も祐チャンん家に泊まるね♪ーー


ーーはいはい。あ、明日お父さん東京に行く日だから。ーー



もうそんな日だったんだ。



ーー朝会えるかな?ーー


ーー始発の新幹線で行くって言ってるから、難しいかも…。ーー


ーーそっか…。気をつけて。って言っててーー


ーー分かった。おやすみ~ーー




「どうした?」


リビングでテレビを見ている祐チャンに、抱きついた。


「…お父さん、明日出発するんだって…。」


「うん…。」


「始発の新幹線で行くんだって…。」


「うん…。」



ちゃんと見送れないなんて…。



「…帰るか?」


どうしよう…。


「俺には学校で会えるんだ。だから、ちゃんと見送っておいで。」


コクッ。


「ありがとう。」




バッグを持って、祐チャンの家を飛び出して、走って家に行った。




「ただいま。」


「お帰り。わざわざ帰って来たの?」


「うん。祐チャンが帰してくれた。」


「そっか。じゃあ明日早いから、お風呂入って寝なさい。」


「うん。」



………


……







「…華。千華。起きて。」


「う~ん…。おはよ…。」


お姉ちゃんに起こされて、玄関に行った。



「千華、おはよう。わざわざありがとうな。」


「ううん。身体に気をつけてね。」


「あぁ。…じゃあ、行ってきます。」


「「行ってらっしゃい。」」



たったこれだけだけど、言わないよりはマシ。



私も準備して、学校に行かなきゃ。