先生とわたし




各々、注文して席に着いた。


「琴音。何で今日は一段とテンション高いの?」

「へ?普段と変わりないつもりだけど…。」

「何かいいことでもあった?」

舞チャンまで…。

「全然。」

「「ふぅ~ん。」」

何か怪しいけど、本人が言わないならこれ以上は聞けないや。


「舞チャンと大木って、一緒に住んでるの?」

「…まぁ。」

「ってことは、付き合ってるとか?」

「それはない。と思う…。私は別に何とも思ってないけど、先生がこの間、"少なくとも、俺は好き"って言ってて…。本当なのか分かんないんだけど…。」

「好きじゃない人と、一緒に暮らせる訳無くない?ましてや、その人の子どもと一緒とか。」

「そうだよね…。蒼空も先生になついてるし…。どうすると、教師に対して恋愛感情が現れるの?」

難しい質問…。
私は、気づいたら…。だから。

「別に、普通の人と同じだよ。ただ相手が教師ってだけ。私だって智クンを、教師だから好きになった訳じゃないし。一緒に暮らしてる時点で、舞チャンも少しは大木を好きなんじゃないの?」

「うん…。他の人よりはいいなぁっては思うけど…。」

「それだよ。好きなら好きって、はっきり言っちゃいなよ!!」

琴音、急かしすぎ…。


「ママ、パパのこと嫌いなの?」

「…好きだよ。うん。好き。」

「よし。よく言った。じゃあ、クリスマスまでにはその気持ち伝えてね。」

「う、うん。」