カツカツ…。






地下の書斎に入る。
竜族の文献とか魔法とか魔術とか…。
とにかくたくさんある…。





暗がりに人影。





「誰?!」
短剣を抜き放つ。




「うぉ!待て待て!私だ…。」





「お父様!ここで何を?」





「いやぁ…。妻が鍛練に夢中なので読書かな(笑)ステラは勉強かな?すまないね。」





「いえ、すみません。」




「我が愛らしい姫達は血が熱いらしいね(笑)…。ステラ…。何か心配事でもあるのかね…。」





「どどどどうして…。そんな。」





「我が愛する娘だからかな(笑)。」






「では…。平和な我が国は何故戦いが習わしなのですか…。」





ジジジ…。とランプの灯りが揺れた。





「うーん。守るためかな。答えは自分自身で見つけなければならない。」




「私は…ただ。」





「ステラ?」





「いえ、すみません。私は…。竜族を倒します。それが我が使命なら。」




「後でケーキを食べにおいで…。」





「はい。お父様。」






お父様がいなくなり、灯りを近づけ本を読む。





旅に出ていく。なんて夢は言えなかった。





竜族に会いに行く。
倒すため。





本当にそれが正しい?
本当にそれがしたいこと?





戦いたくはない。
竜は敵なのに。





それなのに出会った。






エメラルドの瞳は明るく光って…。





不思議とひかれた。





星の声は…。胸が震えた。
あぁ…。この感覚は自由以外のなにものでもなく。すがすがしくて。
気持ちがよかった。





どうしようもなくて。






何度も何度も考える。






私は…国と家族を危険にさらしている。





四つの領土はそれぞれの姫が管轄し、騎士団をもつ。中心部と直属の騎士団は私の管轄だ。