ピンクの星と緑の太陽

クォーレの秘密の部屋。





つまりは研究室のような場所。
爆発に耐える城の何処か。





珍しく楽しげに鼻歌を交えながら火薬の調合をしている姫。





「クォーレ様が鼻歌なんて…。」





恐れおののく副隊長…。





「何かいった?ダル?」





ゴーグルをあげながら聞く隊長…。





「なんでもありません!」





白衣のダルは直立になる。





鼻歌が響いていた。






******






首を動かしたら痛みが走る。





人気はない。
ここは何処か…。
身体は…。






ガチャ…。






人が一人入って来た。






「気分はドウだ?」





容姿端麗…。それに紫の瞳。





「あなたは…。」






「我が城に入った人間はお前が始めてだ…。ステラ。」






ヒヤリとした手が額に触れる。





「お前の身は私が預かる。」





耳元にこそりと声が落ちる。
「よいかステラ。ここでは私以外信用するな。危険を感じればすぐに呼べ…。」





名前?






「よいな?それと毒が抜けるまで動くな、死にたくなくば。」





というか…。拘束しときながら動くなとか。
まぁ逃げようとは少し考えたけど…。





「ミョン。ニャン。」






「「はい。」」






「これの世話をしろ…。」





「「かしこまりました。」」





双子?






「人間…。動くな、これを飲め。」





何かしらの液体を飲ませられた。





「陛下…。皆がお待ちです。」





「わかった。」






ヒヤリとした手が目に覆う。
「眠れ…。それと動くな、よいな?何かあれば呼べ。ここは…。敵が多いからな…。」





ステラは再び眠りに落ちる。





あぁ…。何日たっているのか。心配しているだろうか。






どのくらいたったのか気がつけば暗い部屋、そして静寂。





気配がする。






暗闇に光…。
聞こえたのは憎悪。
「人間ごときが陛下の…。」





「…。」






やっぱり…。






カチカチ…。






嫌な音が響いた。






数人いるらしい。
走る音が聞こえた。
迷わず呼んだ。






「ツァイト…。」